元バックパッカー旅行記

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香港返還記念日〜国慶節の香港デモを見て

10月1日の国慶節、この日は中国の建国の日で香港も祝日、デモ隊も大規模デモを計画しているとのこと。

であれば、天安門事件くらいの規模の軍事的鎮圧行為に及ぶかもしれないと思い、現地の様子を見るために会社を休んで現地に行って見た。

 

※デモの発端をざっくり説明すると犯罪容疑者の中国本土への引き渡しを認める「逃亡犯条例」の改正案に反対するものだった。この法律をきっかけに、どんどん香港の司法の独立性が失われる様な事になると危機感から今回のデモが起きているらしい。

きっかけとなった「逃亡犯条例」は既に9月4日に正式撤回されている。混沌とした香港情勢を収束させるために政府が折れた形だが香港の混沌は未だ収束する気配がない。

 

今年、7月1日の香港特別行政区成立記念日と9月の半ばに続く、今年3回目の香港旅行。

 7月1日のデモの時には、公共の施設を破壊することもなく、落書きもせず、チラシをいたるところに張るような行為もなく、片付けまでしっかりしていた。

参加者も家族連れ、カップル、若者から年寄りまで色んな年齢層が参加しており、香港全体が「逃亡犯条例」をきっかけに政府に対して、暴力事態になってしまった警察に対して訴えを起こしている「市民の息吹」みたいな妙な一体感というか、エネルギーみたいなものが感じられたものだった。

 

あれから3ヶ月、白Tシャツ軍団がデモ隊を襲ったり、空港での座り込み、ディズニーランド従業員のボイコット等事態が悪化していくニュースをよく見たが、実際に行って見ると7月の時の一体感はもう感じられなかった。。

 

国慶節の当日、街の雰囲気は以前と異なり、暴力沙汰、ぶつかり合いが起きる前提の空気になっていた。街の人もデモ中心地になりそうな所は店のシャッターを閉めデモ行進に参加しないで見ているだけの人たちも少なくない。

慣れた感じで淡々とシャッターを閉めている姿は、デモに疲れたというよりただの日常の一部という感じで印象的だった。

 

7月の時と異なり、デモ隊が街を破壊したり落書き等スラム化したりしている。

警官隊も早くから催涙弾や威嚇射撃で応戦する様な状態。

今回のデモはリーダー不在と言われ、頭を潰せば終わりではないと報じられている。

デモ隊にしてもクーデターを起こすために抱きこむ様な軍部もない、それどころかデモ隊の街の破壊行動により世の中の報道はデモ隊に厳しくなって来ている中で打開策があると思えない。

事態の収束も目処がつかず、香港がどこに向かうのかわからない現在の状況、お互いに香港の為と叫び同じ目的のために争う姿は、何がしたいんだろうと疑問に思ってしまう。

今回、天安門事件の二の舞もありうると思って入るので、事態の収束まで定期的に香港訪れ注視していこうと思います。

 

なお同日、別の場所で高校生が警察官に至近距離で撃たれる報道がされていました。

現地での流すニュース、デモ隊の訴える動画、どちらも同じものが流れてますが、映像の前後や拡大等見せ方を工夫することでお互いに自分たちの正当性を主張し、相手を非難する映像に仕上げています。

そういうのを見てしまうと悲しい気持ちになってしまいます。

 

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